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2010.07.22 Thursday
どうも芥川龍之介です。
嘘です。
藤方です。
我ながら凄い嘘をついた。
何年かぶりに『地獄変』やら『杜子春』やらを読んだら面白くて死にました。死んでませんけど。
芥川さん、ハンパないな…。
そのほか今月読んだもの。
『柿二つ』高浜虚子
『流れる星は生きている』藤原てい
『機械』横光利一
『昔話の深層‐ユング心理学とグリム童話‐』河合隼雄
『肉体の悪魔』レーモン・ラディゲ
『ラナーク‐四巻からなる伝記‐』アラスター・グレイ
『肉体の悪魔』でのたうちまわりました。書かれている心理描写にいちいち心当たりがありすぎて瀕死。
河合隼雄さんも面白かった。
今年のバレンタインにお友達から心理学系の本を貰いましてね(M子様ありがとう)読んでみたらそれが面白くて。
その方面に興味津々になり、今回このグリム童話の本を手に取ってみたのでした(取っ付きやすそうだったんで)
他のも読んでみようかな。
ちょっと前まで本を読む体力も無く、月に一冊読むのも息絶え絶えです。
…みたいな状態で、これはさすがにヤバい。藤方ピンチ。と思っていたのですが(音楽を聴く体力も無かった)
一人でウロウロ歩き回りはじめた頃からパワーが復活しはじめ、本を読むペースもガンガン上がって来ました。
やったね!
物を書くスピードも上がっていければいいんだけどなぁ…。
(心なしか、文章を書くスピードは上がってきたような気がしますが)
うむ。じわじわ回復していけるよう、努力致します。
- 『審判』フランツ・カフカ
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2010.06.01 Tuesday
プラハ出身のドイツ語作家さん。
1914〜1915年に執筆。
カフカの死後、1927年に発表された作品だそうで。
岩波版は結構前に読みました。
最近、光文社版をゲット(こちらは『訴訟』というタイトルで訳されています)
何回読んでも面白いです。
主人公は銀行員のヨーゼフ・K(30歳)
彼がある日突然逮捕され、訴訟を起こされる。
でも何で逮捕されたのか、何を訴えられたのかは誰も教えてくれない。
何だよそれ!と半ギレのヨーゼフ・K。
全力で裁判を拒否。
しかしKの主張は超無視され、問答無用で裁判に巻き込まれていく。罪状不明のまま。
…とまぁ、こんな感じで始まるお話です。
主人公の意味不明なものに巻き込まれていくっぷりが、『不思議の国のアリス』系だな、と。
もしくは『世にも奇妙な物語』にありそうだな、と。
そう思いました。
裁判所事務局が、ボロアパートの屋根裏部屋にあったり
(入り口に、へったくそな字で『さいばんしょじむきょく』と書いてある)
Kの勤める銀行の物置部屋から音がするから開けてみたら、何故かムチを持った、黒革服の裁判所の役人さんがいたり
(その黒革服は胸元が大きくあいていて、腕がむき出しになっているそうで)
(藤方の脳内では、このシーンが完全に
“物置を開けたらムチを持ったレイザーラモンHGがいた”
という図で再生されました)
摩訶不思議な世界が、ヨーゼフ・Kに何の説明もなく、
「何言ってんの、これが常識ですよ。訴訟というものですよ」という顔をして、どんどん繰り広げられていきます。
「ねーよ(笑)」と、思わず笑って突っ込んでしまうような事が頻発するのですが、
それがあまりにも頻発し、かつ主人公と私たち読者に、その事についての説明がない。
この先どうなるのかが全く読めない。
それがだんだん不安になってきて、怖くなってくる。
主人公は必死になっていき、読んでいるこっちも「どうするんだ、ヨーゼフ・K!」と、のめり込む。
おぉ…これがフランツ・カフカの不条理小説の世界か…!
唯一無二だなぁ。
かっこいいぜ、カフカ…!
…と、改めて確認。
- 『寄宿生テルレスの混乱』ローベルト・ムージル
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2010.05.22 Saturday
1906年。オーストリアの小説。
ムージルさんの小説を読んだ事がなかったので、今回挑戦。
まずは短編からいってみよう!と、この作品を手に取ってみました。
手に取ってみて、まず帯の宣伝文句に
「ウソぉぉ!?そんな話でしたっけぇぇぇ!!?」
と、何かもう、むしろ俺だよ俺の方が混乱だよ、と驚愕。
BLの古典という認識はしていなかったのでビックリ。
全寮制エリート陸軍実科学校(男子校)に入学したテルレス君が、そこで起こる『いじめ』や『性』の問題を通して、様々な事に迷って困って大混乱しつつも、少しずつ成長していく姿を書いたお話。
テルレスのクラスメイト・バジーニ君(美少年)が、ある日同級生のお金を盗んでしまう。
それを知ったクラスメイト達が、「罰」と称して彼をイジメるように。
そこに思春期の少年の一大イベント(?)“性の目覚め”が絡んできてしまい、
最終的に、まぁBLと言われれば、そうですね。そうかもしれないですね。という展開になっていきます。
でも純粋な同性愛ものではないです。何かこう…、衝動と迷走の描写だと思います。
で、そんな状況を、テルレスは傍観しています。
傍観しながら、
バジーニを助けたいような、罰を受けて当然のような、
イジメっ子達にドン引きのような、
でも、イジメっ子達についていかなきゃ、置いていかれてしまう気もするような…云々。
…みたいな感じで、この状況での自分の気持ちの置場所がわからず、どうしたらいいのか、自問自答を繰り返します。
繰り返しまくって「人間とは一体…」的な所まで行き、この人間の混迷を数学に置き換えて紐解けないものか、と教師に虚数についての質問をしに行ってみたり、
哲学の本を読んでみたけど、難しすぎて2、3ページで投げたり、
ひっちゃかめっちゃかです。
更にそこに自分自身の性的衝動まで絡んできてしまうから、もう大変。
しかもこの小説の文章が、テルレスの混乱した気持ちを「混乱したまま」書いていましてね。
全編が、
「何言ってんだかよくわかんないけど、でも言わんとしている事の雰囲気はわかるよ」
という感じになっていて、10代の子の、うまく表現できない悩みや不安や焦燥が、とっても伝わってきました。
現役で思春期!という方より、そういうのをすっかり通り過ぎたお兄さんお姉さんにオススメしたい小説だな、と思いました。
毎日、拍手・コメントありがとうございます!
メッセージ、ひとつひとつ大切に読ませていただいております!
簡単なお返事しかできず、ごめんなさいね。
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2010.03.23 Tuesday
家族共用の本棚をゴソゴソしていたら
吉川英治先生の三国志が出てきました…!
(三国志の横に、仙台藩関連本と赤と黒が並んでいるという、この収納ルールの皆無さよ)
番長さまのコミックス5巻にもチラッと書きましたが、中学1年か2年の時に(多分、1年だった気がする)異常なハマり方をした、思い出の三国志です。
大喬小喬に萌え萌えする曹操に、「おい…ジジィ……」とドン引きした事や、
「呂布、強すぎだろ!何人がかりで倒すのよ!(幻想水滸伝のルカ様級だぜ…!)」と呂布戦に熱くなった事などが、強く記憶に残っていますね。
なんか他に、もっと心に留めておくべきエピソードがあっただろ。何で思い出のシーンのチョイスがそこなんだよ。
まぁ、呂布戦は本当に凄かったけれども、曹操はそれ、エロジジィエピソードじゃねぇか。
ちゃんと、曹操男前エピソードのセーブデータも作っとけよ(脳内に)
という感じですが。
(長い。己へのツッコミが長い)
せっかくだし、また読んでみようかな、と思っております!
これは本当に面白かった。
まだ読んだ事ない〜という学生さんにオススメしたい本です。
あと他にも歴史小説がたくさん出てきました。
これらは物心つく前に亡くなった、母方の祖母の形見の本達ですね。
だいぶ年季が入ってますな。
この辺は未読なんでね。こっちも片っ端から読んでいってみようかなぁ。
しかしそれにしても、この本の偏り具合。
祖母は今で言うところの“歴女”だったんだな…としみじみ思いました。
拍手・コメントありがとうございます…!